ハイブリッドのバッテリー表示を満タンにする

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充電方法を検討する

結論から先に言うと本当の意味での電池満タンにはできません。※詳細は後記します。ハイブリッド車には「補機バッテリー(従来の車にあるようなバッテリー)」と「駆動用電池(ハイブリッド車のモーターを動かす電池)」があります。その駆動用電池ですが、ヴォクシーの場合、マルチインフォメーションディスプレイの中にエネルギーモニターがある為、非常に見やすくなっています。またこのエネルギーモニターは8段階で電池の残量状態を表示しているため、オーナーのみなさんも一度は満タン表示を見てみたいと思った事があると思います。トヨタ車のハイブリッド車の主な充電方法は下記の通り。

1、エンジンの暖気運転時
2、バッテリー残量が少ない時の強制充電時
3、EV走行時の減速時
4、ブレーキを踏んだ減速時の回生ブレーキ

この中でも一番大きなエネルギー充電が4のブレーキを踏んだ減速時の回生ブレーキになります。おそらくこの方法でない限りヴォクシーの場合、8段階あるエネルギーモニター表示を満タンにする事はできないと思います。仮に高速道路で走り続けたとしても、途中でモーターアシストが働いてしまい、モーターが動くため駆動用電池が満タンになる事はありません。


充電に適した場所は

上記の事を踏まえると「長い坂道(下り)が続く道路」が駆動用電池の充電に適した場所となります。僕はその候補として「水越トンネル」(大阪から奈良方面への走行)を選定し走行しました。※場所は最後に明記します。また、より詳細な情報を把握する為に株式会社ユピテルの「GWR93HVT」をOBDⅡアダプターに接続して表示させています。この装置を使うことで、電池の残量を%で表示する事ができより詳細な状態が把握できます。


実際に走行する

以下の方法で走行しました。

1、水越トンネルに到着するまでの上り坂は通常通りに走行
2、水越トンネルに入り、下り坂になったらエアコンはオフ
3、そこからは通常通りの安全運転でエンジンブレーキとフットブレーキ(回生ブレーキ)で走行
4、途中安全な場所で停車して助手席の方にGWR93HVTとマルチインフォメーションを撮影してもらう

上記の中で2の「エアコンはオフ」ですが、知らない方の為に説明すると、ヴォクシーハイブリッドはエアコンに関しては駆動用バッテリーを使って運転しています。(アイドリングストップ車はエンジン停止時にエアコンが停止しますが、ハイブリッド車はエアコンが停止しないのはこのためです。)エアコンをオフにして少しでも駆動用電池の消費を減らします。
ちなみにメモリが7ある状態で66%の残量です。


エネルギーモニターの表示が7メモリあります。


その時の電池の残量は66%となっています。

実際に水越トンネルを過ぎて、下り坂を走っていると75%でヴォクシーのエネルギー表示は8メモリ満タンになりました。

エネルギーモニターは8メモリ満タンになっています。


なぜ100%まで充電しないのか

その後も下りを走り続けるのですが、ここからが最初に明記した「本当の意味での電池満タンにはできません。」がわかります。電池残量が78%になったあたりから、急に回生ブレーキーでの充電ができなくなります。それまでは40~60Aで充電していたのが、一気に1~2Aとなり充電しなくなります。最高で80%まで充電したのですが、停車して撮影した時は79%でした。


79%表示です。

これには「電池の寿命」が大きく関わっています。充電池の特性として0~100%の充電を繰り返すより40数%~60数%の充電を繰り返す方がはるかに寿命が長くなります。その為、ヴォクシーの充電に関しても通常の走行では下は37%ぐらいから上は62%ぐらいで充電するようになっていると思います。


EV走行可能な残量の目安

ユピテルの装置を付けてから、詳細に電池の残量がわかるようになりました。体感的には50%以上あれば、EVモードのボタンを押してEV走行が可能な状態です。ちなみに50%でのメモリ表示は下記の通りです。


50%の表示です。


メモリは4つになっています。


電池の寿命及び交換時期は

トヨタのHPのよくある質問にメーカーの回答があります。
Q:ハイブリッド車の駆動用バッテリーの寿命を教えて。
A:駆動用バッテリー(リチウムイオンバッテリー・ニッケル水素バッテリー)には寿命があります。
寿命は車の使い方、走行条件により異なります。
保証は新車を登録した日から5年間です。ただし、その期間内でも走行距離が100,000kmまでです。
ちなみにVOXYはニッケル水素バッテリーです。
交換となると、やはり数十万単位での費用が発生します。


最後に注意点

この実験は、非常に長い下り坂を走行する事になります。JAFのページにもあるように、下り坂でブレーキを酷使すると「フェード現象」が発生し非常に危険です。下記に場所は明記しておりますが、水越トンネル付近の道は急なカーブもあり非常に危険です。決して充電池を満タンにする為だけの走行はしないで下さい。
ちなみに、「水越トンネル」を通らずに「水越峠」に向かった場合、「祈りの滝」できれいな水を飲むことができますよ。でもトンネルと違い道は急カーブと上り下りの連続です。走行には十分ご注意下さい。

今回の場所

ハイブリッド車にお乗りの方にお勧めです。

ユピテル(YUPITERU) スーパーキャット超高感度GPSアンテナ搭載TOYOTAハイブリッド車専用モデル GWR93HVT

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